弁護士ブログ

文系・理系選択?

2022.02.19

 受験シーズン真っ盛りですが,高校2年生の方々は文系・理系の進路選択に迫られている時期ではないかと思います。

 私は高校時代に文系・理系選択で混乱した行動を採った経験があります。私は当初,医学部志望であったため,理系選択(物理・化学・地理)を学校に提出しました。社会はセンター試験でしか使わないと考えていたので,あまり勉強していませんでした。しかし親から「国公立であっても6年間の学費が払えない」ということを告げられ,医学部志望を断念し,文系に変更しました。そのまま理系に進まなかった理由は,理系に進学した場合,大学院に進学する必要があり,結局学費が支払えない見通しが強かったことや,医学部でないなら薬学部,理工学部,といった感覚に違和感があったためです。文系として受験したのは日本史・世界史・生物です。一科目も重複していないのは今考えてもおかしいと思います。

 このようなケースでは数学や理科が苦手で文転したと思われがちですが,そうではありません。私は理系科目の方が成績が良く,苦手な科目はありませんでした。これに対して文系科目の特に歴史が苦手であり,東大文系学部受験に社会が2科目必要であることを知った際には絶望しました。地理は学校で開講されなかったので選択できませんでした。そんな私でも東大文Ⅰに合格できたので,文系科目が苦手でも,やり方次第で文系学部進学は可能ということだと思います。

 これに対して理系科目が苦手である場合の理系学部進学は困難を極めるイメージがあります。工学部,物理学,数学といった分野に理系科目が苦手でも進学したいという人はいないと思うので,問題となるのは医歯薬農学部,特に医学部でしょうか。最近では数学などを受験科目としない医学部もあるようなので,どうしても,という方はそういった大学を探してみてはいかがかと思います。医学に数学や物理学は必要ないではないか,と考える方も多いともいます。医学部において数学や物理学が必修化されるなど重視され始めた流れは,私の記憶が確かなら,利根川進氏がノーベル賞を受賞した際に,生物学,化学,医学的なアプローチではなく物理学や数学的な解析アプローチを重視していたような情報があったことから広まったように思います。間違っていたら申し訳ございません。確かにDNAの構造や分子構造といった超ミクロの世界を映像化し,構造を研究できるようになった現在においては物理学や数学的解析が生きるというのはその通りかも知れません。しかしながら,これらのアプローチは基礎研究を前提としており,それ以外の臨床医学等の重要性が無視されているように感じます。医師の多くは患者を相手に治療を行うのであり,必ずしも数学的,物理学的アプローチを必要としません。数学や物理が苦手でありながら医学の才を持つ人はいると思います。多様性が重視される昨今,医学部受験においても数学や物理学を苦手とする方の道を封じない策を採っていただきたいと思います。

 医学部の話ばかりしてしまいましたが,今後,大学においては受験の段階で文系・理系を完全に分けない方向に向かうと思われます。理由はいずれ述べたいと思います。そういった時代の到来に備えて,また将来,色々な選択ができるように,受験生の方々は好き嫌いせず,幅広く基礎的な勉強をしてほしいと思います。

投稿者:河野邦広法律事務所

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