弁護士ブログ

2020年を振り返って

2020.12.30

 年末を迎え,多くの人が今年を振り返っていることと思います。そしてほとんどの人にとって2020年はコロナウイルスとの闘いの年であったのではないかと思います。私にとっても2020年は,とにかくコロナウイルスに感染しないように息を潜めて生活する年でした。また振り返りがてら今年アップした記事を読み返すと,その時に書いた懸念が後々になって現実のものとなっているものも多かったように思います。

 記事を読み返しながら思い出したのですが,2019年の年末に「2019年を振り返って」という記事をアップしようと考えていましたが取りやめた経緯があります。当時,記事を書いた後,ふいに嫌な予感がして,アップを取りやめたことを記憶しています。その嫌な予感は,記事に書いたことが当たっても外れても嫌な気持ちになるのではないか,というものでした。実際にアップしなかった記事の原稿を読み返してみましょう。

 同記事は2019年を振り返って,「流行した歌がなかった」,「流行した芸人さんがいなかった」と書いてあります。歌に関しては2019年に既に話題になっていた「紅蓮華」が2020年になってヒットしたようです。芸人さんに関しては,いわゆる「第七世代」という言葉をよく聞くようになりました。しかし「第七世代」という言葉は2019年の年初には既に存在した言葉らしいので,「第七世代」の台頭は2019年だったようです。私が流行した芸人さんがいなかったと書いたのは,おそらく流行語にノミネートされるような目立った活躍をする方がいなかったという意味だったのだろうと思います。最近はテレビ番組を見る機会が減ってしまったため,流行歌や活躍している芸人さんを知らなかったり,後から知ったりしていることがわかります。

 そして同記事は上記のような状況を分析して,「価値観の多様化」という言葉すら聞かなくなった現代においては,「価値観の多様化」の進行により,「価値観の多様化」という言葉すら必要なくなったのかもしれないと分析しています。さらに「価値観の多様化」の結果,流行を喪失した,と書いています。この分析は当たっているのでしょうか。

 また同記事は末尾で2020年は「オリンピックが開催されるのでマスコミなどが決め打ちに入っていて面白くない」,「オリンピック以外で驚くような流行があればいいなと思います。」と締めています。今となってはマスコミの決め打ちが何だったのか分かりませんが,そのような傾向があったようです。そして私が引っかかったのは「オリンピック以外で驚くような流行」という部分でした。当時はまだコロナウイルスについては注目されていない段階で,私も日本で感染拡大するとは全く考えていませんでした。私が感じた嫌な予感はこれだったのかわかりませんが,嫌な予感ほど良く当たるもので,結果的にオリンピックは開催されず,良くないものが驚くほど流行してしまいました。

 来年のことを言えば鬼が笑う,という言葉があります。意味としては,どうなるかわからない将来のことを言っても仕方がないということらしいのですが,私にとっては,来年のことを言うと良くないことが起こるという意味に解釈してしまいます。鬼が笑うのは災厄を起こす者が得意になっているように感じられます。奇しくも2020年は「鬼」にまつわるメディアが空前のブームとなりました。鬼は災厄の象徴とされます。コロナウイルスに苦しむ社会は災厄の象徴である鬼を退治する話に救いを求めたのかも知れません。

 締めとして「2021年は・・・・・・という年になるといいですね。」と書きたいところですが,鬼が笑うので書かないことにします。

投稿者:河野邦広法律事務所

まずはお気軽にお電話を

ご自身では解決できないお悩みがございましたらさいたま市浦和区にある河野邦広法律事務所までまずはお気軽にご相談ください。

pagetop