2020.11.27
「桜を見る会」の前日に行われた夕食会の費用について検察庁が元首相の周辺人物から事情を聴取しているとの報道がありました。
私はこの点について2019年12月11日付けのブログで触れています。当時,この点について追及する野党に対して「他に議論しなければならない法案がある」「無駄な時間を費やすな」と言いたい方々,また実際に言っていた方々に対して,その時解消しなければ長期的にはさらに「無駄な時間」を費やすことになる可能性を指摘しました。
あの時,疑惑について解消していれば今頃再びこの話をする必要は無かったわけです。そして今はコロナウイルスの感染爆発の瀬戸際という重要な時期になってしまいました。
「言わんこっちゃない。」「それ見たことか。」と言いたいところですが,それよりも今後さらに「大事な時期」が訪れるかもしれませんので,その時に本件を問題にしないで済むように,本件について徹底的に解明しておくべきなのではないでしょうか。
この期に及んで野党やマスコミに対して「今,この問題を採り上げるべき時期なのか?」などと述べているコメンテーターが散見されます。この方々に言いたいのは,「では,いつ採り上げるべきか?」ということです。答えは明白です。2019年に本件が明らかになった時だったのです。「この問題を採り上げるのは今なのか?」と今,述べている方は,きっと2019年12月にも同じことを述べていたと思います。そして,いつまでも本件が採り上げられずに放置され,忘れ去られるという,疑惑の対象の方々にとって都合の良い結果を招くのです。このようなコメンテーターは悪意で発言しているとまでは思いませんが,悪意でないとしたら,そろそろ気付いていただかなければならないと思います。
本件について採り上げている報道の中で目立つコメントは「首相は忙しいから収支までチェックできない。」というものです。このコメントはつまり秘書がやったことについて首相は知らないから責任がない,と言いたいのでしょう。この点については当時の首相動静などからチェックする時間も無いほどの状態であったかはわかると思います。なお,この論法によってしまうとチェックをしていない者ほど罪を免れる構造になってしまいますが,それが望まれる結論なのでしょうか。それとも基準を恣意的に適用して,守りたい人だけ守るという,いつものパターンなのでしょうか。
本件についてもう一つ問題となるのは,「桜を見る会」に招かれた人物の属性についてです。2019年12月頃の報道では,むしろこの点に着目していたマスコミが多かったように記憶しています。疑惑の対象者は,本件についてお金の出入りだけ処理して「全て説明した。」と述べて終わりにしようとしています。マスコミはこの点も忘れずに報道する必要があるように思われます。
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