2019.08.01
江戸時代の訴訟(遠山の金さんを思い浮かべて下さい。)においては,今でいうところの弁護人はいませんでした。ただ,訴訟関係人を泊める旅館の経営者が「公事師」と呼ばれ,訴訟関係人を法廷に連れて行ったり,付き添ったりしていたそうです。
その後明治時代になって,訴状を作成する代書人と民事訴訟における弁論の代理をする代言人が定められました。この代言人が現在の弁護士の始まりです。日本の弁護士の始まりは民事弁護士ということになりますね。
明治26年になると弁護士法が制定され,「弁護士」という職業になりました。しかし弁護士会が検事正の監督を受け,懲戒は裁判所が行うなど,いわゆる弁護士自治が保障されていませんでした。
大正時代には東京弁護士会が分裂し,大正12年に第一東京弁護士会,大正15年に第二東京弁護士会が設立されたそうです。
(東京が)大混乱の大正時代を経て,昭和8年,弁護士法が全面改正されます。この改正で女性にも弁護士資格が認められ,弁護士試補(今でいう司法修習生)が採用されるなど,やっと現在の弁護士制度と近いものになりました。
その後,戦時中には弁護権の制限など弁護士が社会的に苦境に立たされる状態になりました。
そして終戦後の社会情勢の変化に合わせるため,昭和24年に現行の弁護士法が制定されました。
(つづく)
投稿者: