2019.07.25
先日のブログ記事(憲法を楽しく読む(1))で,「誤解される」「よく質問を受ける」ことがあるということを書きました。これを書いた箇所は憲法の刑事手続に関する条文について触れたところでした。つまり誤解されたり,よく質問を受けたりするのは,刑事弁護についてです。
友人などに「弁護士をやっている。」と近況報告をすると,大概される質問が「専門は?」と「刑事もやるの?」というものです。前者については,また後日お話しするとして,後者について「刑事ももちろんやるよ。」と答えると,その話の中でさらに出てくる質問が「弁護士って,何で犯罪者を守るの?」といったものや,過去の私を知っている人だと「学生の頃は正義の味方だったのに,何で悪い人の方の味方になっちゃったの?」という人もいます。なお,この質問はおそらく,無罪弁護については理解できるものの,有罪が決まっている情状弁護については理解できない,という趣旨であると解釈します。
弁護士であれば一度は聞かれたことがあるこの質問ですが,聞かれる度に「自分は世間的に悪いことをしているのか?」と悩みます。それと同時に刑事弁護(特に有罪ありきの情状弁護)の意味をわかりやすく,説得的に説明することの難しさも感じます。
なぜ弁護士は犯罪者を弁護するのでしょうか。
これを理解するためには,まず弁護士制度の歴史を振り返り,弁護士制度における刑事弁護制度の歴史,位置づけを知る必要があります。その上で憲法の条文を見てみると自ずとわかってくると思います。
(つづく)
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